ファインダー越しの年末年始

ナッツが死んで10年も経ったことが信じられない。オタク同士は、お互いの本名も年齢も職業も知らないことが多いが、私もナッツの出身地や職業などを知ったのは、彼の死後のことだった。顔が恐く貫禄もあったので、この世を去ったときに実はまだ30代だったことに驚いたものだし、相手によって言う年齢が違っていたという話に至っては笑ってしまった。本人としては、第1期BiSの研究員だと勘違いされていることは、あの世でも遺憾だろう。ナッツはそもそも東京アンダーグラウンドの住人だった。

2025年12月28日、ナッツを偲ぶ会である「森山の集い vol.10」が開催された。2024年の「森山の集い vol.9」は、広い会場に対して人が少なく、肌寒さを感じるほどの状況だったが、2025年は大盛況。去年は何だったんだよ。最初は献杯をしていたが、主催者のながちゃんが「何人か亡くなりましたが、生きてる奴はこれからも笑っていきましょう!」と呼びかけ、途中から乾杯に。会場へ新たに人が来るたびに乾杯を続けた。

10年経つといろいろあるもので、あふろが家族を連れてきたのにも驚いた。思春期の娘さんが、我々のようなよくわからない大人を見てどう感じたのか心配でならない。酔いの回ったなげきさんが、自分の過去の恋愛を映画化したいと言いだし、脚本はなげきさん、撮影はりんご太郎こと平井侑馬と決まったので、2017年にオタクが制作した『おやホロアウトレイジ』を超える作品にすべく、なげきさんは資金集めに奔走してほしい。おやすみホログラム THE ORIGINの八月ちゃんが働くART SPACE BAR BUENAに、「ベルリン国際映画祭」の関係者が訪れたそうなので、最近の日本映画の海外映画祭受賞に続くべきだろう。

そう、ナッツの死後、2020年におやすみホログラムから八月ちゃんが卒業したものの、2025年にカナミルと八月ちゃんが「おやすみホログラム THE ORIGIN」として活動を始動させたのだ。時の流れに気が遠くなる。

気が遠くなっていたせいではないが、私は愛機のα7C IIを床に落として破損させてしまった。液晶モニターに多数のヒビが入り、虹のような色彩しか表示されなくなったのだ。これまで雑に扱ってきたが、ここまで壊れたことはない。さすがに私も動揺し、その場でソニーサービスステーションの修理の予約を取った。Tumaさんの新宿BLAZE前広場葬が開催された2022年5月23日にも、私はカメラを落としてレンズを壊したものだ。今回も、ナッツがあの世に持っていったと思うことにする。

翌日である2025年12月29日はまだソニーサービスステーションが営業していたので、すぐに持ち込むこともできたのだが、そうすると年末年始の写真が撮れなくなる。液晶モニターの壊れたα7C IIだが、iPhoneと接続してみると、中身のデータは無事であり、レンズも異常がなく、ファインダーを覗くことで撮影も可能だった。α7C IIのファインダーを覗くこと自体が初めてだ。

新宿駅西口にある宮下芳子のパブリックアート「新宿の目」が、2025年12月24日から2026年1月4日にかけて再点灯していたので、そこで撮る約束もあった。そんなわけで、ファインダー越しに年末を撮りながら2026年を迎えた。

2026年もよろしくお願いします。

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