それはすでに四半世紀前の記憶

育実や小椋ちゃんたちの展覧会「Re Born」が、高円寺の素人の乱12号店で開催されると見たときは、すごいところでやるものだなと思った。自分の中で素人の乱といえば、2001年の「Quick Japan」vol.40で紹介されたイメージで止まっているからだ。こう書いている途中で、それはすでに四半世紀前の記憶だと気づくわけだが。

2026年3月29日に実際に会場に向かってみると、2015年に2回ほどトークイベントに出演した高円寺Punditの奥の空間だった。高円寺Punditに出演したとき、ちょうど知人がイベントを開催していたので、素人の乱12号店にも来たことがある。なんということはない、11年前に訪れた記憶のある場所だった。

「Re Born」の作家は、育実、小椋明、美の隷、yumin。大量の写真、衣類があり、床に敷かれた赤い布の上には、ヘルメットと鏡、何枚ものチェキが置かれていた。会場にいる人たちも、どういう属性なのかパッと見てもわからない。自分が浮いていることは、もちろん感じている。

「Re Born」の開催にあわせて、育実と小椋ちゃんがそれぞれ『Re Born』という名のZINEを販売していたので両方購入。小椋ちゃんの『Re Born』は、キラキラした透明の袋がクリップでページに留められており、その中に散文が書かれた紙が4枚入っているという凝ったものだった。帰宅してから、ようやく気づいた。

高円寺の素人の乱12号店を出ると、すぐそばの本の長屋という場所で、たけやけいこ写真展「築百五十年北海道漁家住宅解体」が開催されていた。北海道での漁のために建設された巨大な住宅の解体を追ったもので、写真にも映像にも気圧されるものがあった。

さらに、はやとちりや書店などを見ていったわけで、そう、高円寺はサブカルの街なのだ。その高円寺でも再開発が進み、高円寺ストリートもその姿を変えようとしている。うみのての「もはや平和ではない」のMVは、歴史の記録になろうとしている。そして、サブカルの生き証人であるはずの私が、高円寺HIGHぐらいにしか来ていなかったとは言いづらい。

同行者は、高円寺は磁場が悪いと不調を訴えだした。元気が戻ったのは、新宿駅で女性同士の派手な喧嘩に遭遇したからなのだが、それもどうなんだよ。

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