ふたたびあおが私を見て「宗像さん」と名前を呼んでくれたのは2025年5月12日のことだった。なぜ認知があるのだ……?
その日は渋谷のLOFT 9で五味未知子によるイベント「1日限定メイド喫茶『喫茶 未知の子』」が開催されており、fav meのライヴをSpotify O-EASTで見てから顔を出したところ、ベロベロに泥酔した五味ちゃんが倒れかかってきた。イベントを手伝いに来ていたあおは、その様子を見て「仲良しじゃん」とほほえんでおり、「ベロベロに酔った五味ちゃんに寛容に接することができるなんて、さすが付き合いが長いだけあるな……」と感銘を受けた。あおが私を見て「宗像さん」と呼んでくれたのは、そのときだ。
あおと五味ちゃんは、アイドルグループ「きっと誰かの秘密兵器」を2021年2月に結成して、活動をともにしてきた仲だ。初期メンバーのひとりが抜けた後、ふたりで代官山SPACE ODDでライヴをした2021年4月29日が、私があおを最初に見た日だと記憶している。「きっと誰かの秘密兵器」は体制を変えつつ、2022年11月7日に青山RiZMで開催された解散ライヴまで活動を続け、私も解散を現場で見守った。解散ライヴというのは、人の感情をグチャグチャにするものだと感じたものだ。この時代は、旧知の五味ちゃんと話すだけで、あおと話したことはなかった。ついでに書けば、五味ちゃんの酔いつぶれる姿もまだ見ていない。平和な時代だ。
2025年5月12日に初めて話した後、2025年5月28日に新宿ROCK CAFE LOFTで「#オタクのガチ恋について語ろう」というイベントが開催され、主催のなげきさんに呼ばれて、五味ちゃんと私が出演することになった。そんなことを語るなよ、という感じだが。
この「#オタクのガチ恋について語ろう」において、なげきさんは初手から、自分が初めてガチ恋したアイドルであるLinQの姫崎愛未さんとのチェキを拡大プリントアウトして披露するという暴挙に走った。正気か。私は、ROCK CAFE LOFTが新宿歌舞伎町にあることから、ガチ恋を利用するホストクラブが、現在進行形で日本のアイドル文化に悪影響を及ぼしてメチャクチャにしていると話し続けた。五味ちゃんは、終演後に階段から落ちかけるほど泥酔。「ガチ恋は作品に昇華すべき!」と、いいことを言っていたのだが、本人は翌日、完全に忘れていた。なんなんだよ。
意外だったのは、「#オタクのガチ恋について語ろう」に遊びにきてくれたあおが、私が目にしたすべてのSNSで「宗像さんが面白かった」と書いてくれていたことだ。あるSNSでは「大人でもあれでいいんだ」と書いてくれていた。これでいいのかはわからないけどね……。
そんなわけで、2025年6月5日に渋谷ロフトヘブンで開催された、あおと高橋あやなさんのユニット・downerprismのイベント「downerprism talk&Live『だうぷりラジオ』vol.2」に行ったのだが、このときはまさかdownerprismの最後のライヴだとは予想もしていなかった。downerprismは、活動に幕を下ろすことを2025年7月1日に発表したからだ。
そんな展開を知らない2025年6月下旬、あおの写真を恵比寿で撮った。以前のあおはどこか尖ったイメージがあったのだが、話すようになってみると実におおらかな人物で、よくその若さでそんな境地に達したものだという所感を彼女に話した。撮影にあたり、あおのnoteの全記事も読んでみたのだが、家庭環境や社会生活についての葛藤を赤裸々に記しつつ、今、目の前にいるあおは、それを乗り越えつつあるように感じられたことには安堵した。すごく酒は飲むのだが。
あおが終電に急ぐなか、あと1分というところで改札機でチャージ不足の音が鳴ったときにはどうなるかと思った。終電に乗れて良かったし、我々はそれぞれに意外とギリギリで生きているのよね。
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