夏休みの闖入者

一日の終わり、夜の花火のタイミングになって、だてぃがは「もう疲れた、みんなで話すだけでいい」と言いだした。その姿は、夏休みの終わりに遊び疲れた子供のようだったし、実際のところ、だてぃがは15歳なので、まさに夏休みの終わりに遊び疲れた子供だった。

東京のコロナ感染者がようやくピークアウトしたと思ったのも束の間、縦断爆撃のように私の周囲が感染していく2022年8月下旬、だてぃが、友人、私による珍道中が開催され、カラオケ、寿司、ラーメン、花火と、だてぃがの思いつきをフルコースで消化していった。

JOYSOUNDではMETAMUSE(ZOC)とのコラボドリンクが販売中なので、ドリンクに付いてきたポストカードをだてぃがに渡した。だてぃがは当然として、友人も意外なほど歌がうまく、私が歌った面影ラッキーホールの「今夜、巣鴨で」はただただ不評だった。そもそも中学生がいるときに歌う曲ではないかもしれないが、私たちはポリコレ棒で殴られることを過剰に恐れるべきではない。

寿司屋で一眼レフをかまえて写真を撮っていたら、女将に「すごいので撮ってるわね」と笑われ、大将が「お色直し」と寿司の並びを整えてくれた。もうみんな小型ミラーレスで写真を撮っているのだろうか……と考えたが、いや普通はスマホなのだ。江ノ電を撮るのに必死な撮り鉄のような自分が、なんだか気恥ずかしい。

私の横の席では、だてぃががラーメンを食べたいと言いだし、「マジかよ」と思いながら、私もついラーメン屋で一杯食べてしまった。地元の駅前にいい担々麺を出すラーメン屋があり、2021年夏のワクチン接種後、ようやく再び行けるようになったのだが、2022年に入ってからはオミクロン株のせいで一度も行っていなかった。久しぶりの味噌ラーメンを食べながら、血圧のことを思いだし、ハッとスープを飲むのを中断した。この間、医者にせっかく落とした体重がリバウンドしていると苦い顔で指摘されたばかりなのだ。

20時台なのに、街灯の明かりが弱い街は真夜中のようだった。私たちはコンビニで花火セットを買ったものの、だてぃがは歩いている途中で花火への興味を完全に失ってしまう。線香花火だけをすることになり、数本の線香花火が不安定な輝きを煌めかせて、すぐに消えていった。

21時過ぎ、15歳にはもう夜だということで、私たちは解散した。私は夏休みへの闖入者のようだった。

https://www.instagram.com/munekata/


なお、だてぃがとのトークイベントが、2022年9月28日(水)19:30から下北沢ろくでもない夜で開催される。予約方法は以下のツイートのスレッドを参照してほしいが、別に私にDMするだけでもいい。

だてぃが×宗像明将トークイベント
「喋ることねーじゃん!」
9月28日(水)
下北沢ろくでもない夜
OPEN19:00 / START19:30
前売\2,900/当日\3,400/学割\2,400
各ドリンク代別