カタストロフィーの予感と恍惚

ころもてんと初めて話したのは、2020年、彼女がアイドルだった時代の取材だった。日本がコロナに襲われて初めての夏、Zoom越しのころもてんは当時15歳。その歳でそんなにしっかりしていて生きづらくないのか、と私が問うと、「めっちゃ生きづらいです」とZoomの向こうの彼女は笑った。

ころもてんはアイドルを辞めてから、一時期はnoteに長文の日記を書いており、その内容(主な内容はメンタルとグルメ)はもちろん、当時17歳なのに書くこと自体に執着を持っていそうな雰囲気がとても良かった。

他のメンバー全員とオフラインで話す機会があった後、前述のような経緯から、ころもてんとだけオフラインで話したことがない事実が気になった。そんなとき、彼女が渋谷の「まゆげ」というアイドル好きが集まるバルで働いていることを思いだした。調べてみると、まゆげは、渋谷の道玄坂のライヴハウス密集地帯に存在する。しょっちゅう店の前を通過していたので、まったく店の存在に気づいていなかったことが不思議なほどだった。そんなわけで、2023年3月、ようやくインターネット回線を通さずに我々は会話をした。私が来て、一瞬、意表を突かれたかのような表情の彼女と。そりゃそうだよな。

2023年4月には、まゆげでころもてんの生誕祭があった。その際にころもてんが、当時15歳のシンガーソングライターのだてぃがに会いたいというので、「いくらなんでもそんなに急には来ないだろう」とだてぃがに連絡したところ、即答で「行く」と返信が来た。フッ軽、とはフットワークが軽いことを指すそうだが、だてぃがはまさにそういう人種だ。ころもてんとだてぃがはあまりにもすぐに意気投合していたし、生誕祭の翌日か翌日にはふたりで出かけていた。元気すぎるだろ。

この写真は2023年5月、ころもてんにインタビューをしてほしいと言われて新宿の珈琲ピースに行き、だてぃがも合流して、ドン・キホーテ前を通ってカラオケに行ったときの写真。歌舞伎町を歩いていると、ころもてんやだてぃがとトー横キッズを隔てているものは何なのだろうかと考える。家庭環境、と言ってしまえばそれで終わりなのだが。ころもてんとだてぃがは、大森靖子さんの「VOID」をパンクのような勢いで歌うので感心してしまった。ここ、ただのカラオケだぞ。

それから2か月後、ころもてんのインタビューを公開した。このままTwitterが崩壊する可能性もあるので、その前に慌てて、だ。

それにしても、「朝起きたらTwitterが崩壊しているかもしれない」というカタストロフィーの予感には、甘く恍惚とするものがある。実際にそうなったら困るのだが。しかし、日本人がTwitter中毒になりすぎたのも事実だろう。思考の枠組が140字になってしまった。愚かにも。

Twitterへのアンチテーゼでもあるこのブログでは、全員、手打ちHTMLに還れ、FTPにアップロードしろ、ファイルにパーミッションを指定しろ、と言い続けたい。このブログはWordPressなのだが。

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